「時としてこの世にはまったく希望がなくなる時があるのですよ」 詩人は小声で言った。 「この世はいつでも希望に満ちていますよ」 「いいえ、それは違います。 時として、この世には苦痛のみが存在するとしか思えないことがあるのです。 苦痛の眷属たちと、 おそらくはその苦痛のもとである世界に対する抵抗のみしか」 「抵抗というのは希望の一種ではありませんか」