かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける
大伴家持


「銀河を渡るカササギ号の物語」その1
七日に一度会いましょう


「7日に一度、会いましょう」

という織女の便りをなくしたカササギは、
困ってしまってうろ覚えの伝言を牽牛に伝えました。

「毎年7月7日に会いましょう」

それで、織女と牽牛は毎年7月7日にだけ、会うことになりました。
ほんとなら、7日に一度、会うことができたのに。
申し訳なく思ったカササギは、せめて逢瀬のお手伝いをしましょうと、
毎年7月7日に天の川に羽を広げて橋をかけるのでした。

いま、私たちは天の川が星の集まりであって、
銀河を横から眺めた姿であることを知っています。
織女も牽牛も、ただちょっと大きな恒星であるということを知っています。
カササギはモノトーンのかわいらしい鳥ですが、
ときにごみをあさったりして人たちに迷惑をかけることがあるのも知っています。


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