夜が明けてきました。 カササギはまだ、織女と牽牛を見つけることができませんでした。 「もうだめだよ。これ以上飛べないよ」 「ふたりが見つからないよ」 「もう戻らなくては、力尽きて墜落してしまうよ」 「まだ風があるから吹き飛ばされてしまうよ」 また一年。 長いようだけれど過ぎてみればあっという間だと思いました。 けれども永遠に雨の7月7日が続いたらどうなるんだろう? カササギは、ふとそう思いましたが、考えないことにしました。 ソンナコトアルワケガナイ。