大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003 見学日記

2003年8月17日(日曜日) 注:作品タイトルの前の数字は、公式ガイドブック記載の通し番号です。
(添番は、記述の都合上このページの作者が付けたものです。)

■松代(昨日よりつづき)

でもって、3日目です。
今日で松代地域とお別れ...。ぐすん。

2日間お世話になった松栄館。
ところで今回、ヴィデオ・アートの公募も行っててそれ、越後妻有地域のあちこちで上映してたんですけれど、それ見るのに、けっこう苦労したんですけれど、なんと!2日間泊まってたここでそれを見ることが出来るということに気づいたのは、チェック・アウトの瞬間でした。
いや、がっかりした。
なおかつ、雨です。
とりあえず、傘はある。駅へ向かいます。



[157] 「思い出の場所」琉球大学・小林豊+スプリー・ティトス

雨のせいもあって、あんましのんびり作品見てられませんでした。ごめんなさいね。
左。遠景。ヴォールト屋根の仮設建物が作品です。
右。その正面から。
これ中入れたんだと思うんですけれど、早朝ゆえ入れなかった。
たくさん並んだ缶にはピンホール写真様のものが貼ってあり。
ガイドブックによれば、越後妻有からよそに出てった人たちの思い出の場所とその痕跡をプロット&収集したものだそうです。



[158] 「土男計画<ゴーレムプロジェクト>」京都教育大学・岩村伸一ゼミ

ふと後ろを振り返ると、こんもりと盛られた土饅頭...。
土男計画...意図はよくわかんないが、なんかみょうちきりんな気分になりました。
この土男がねえ、近くで見るとなかなかかわいらしいんだ、これが。
チャーミングつうか。
これは、このまま放置されて崩れゆくに任される、という作品なんでしょうけれど、これ、いい形だねえ、と思った。ちょっとみとれた。
土だからそう思ったのかな?


雨の中、とぼとぼ歩きます。
朝早いので、町にはまだあまり人はいません。
駅に着きましたが、駅にも人はいませんでした。


北越急行線(通称ほくほく線)まつだい駅。早朝のふるさと会館。
開店準備中です。
今日は雨なのでお客さん少ないかな?とか思います。
けど、我々はこれから津南へ向かうのでそれを確かめることは出来ない。


松代の町と松代のみなさん、さようなら。
また...3年後?


■津南

で、もう津南にやってきました。
松代からバスに乗ってとことこやって来ました。
ここも雨...。
(↑当たり前)

津南観光物産館。
ここは温泉もあります。クアハウス津南。でも入りません。
トリエンナーレのインフォメーションあったけど、とくに何がわかるというものではありませんでした。
たまたまバスで乗り合わせた地元の人といっしょに津南まわることにしました。
マウンテンパーク津南へ向かいます。
その道のり半ば。

[089] 「かささぎたちの家」キム・クーハン(金九漢)

かささぎの家全景。
と、かささぎの家に入る人たち。やはり雨...。
かささぎの家は、まるごとイッコの焼き物です。
成形した土をまるごとすっぽり包んで一ヶ月間かけて焼いたんだそうです。その上にさまざまな仕上げを施してあります。

小さな戸口から身をこごめて入ります。
中入っても別になにもありません。
これは、小さなサッシュの障子の写真。




かわいらしいおうちにさよならして、マウンテンパークを目指します。
車で走ること数分、マウンテンパーク入口付近、ちょっと手前にドラゴン現代美術館があります。
少し山道を行かねばなりません。
少しですけどね。
雨で足元悪いので、滑らないように気をつけて行きます。


世界一小さな?美術館への入口。
だれか降りてきますが、ここを上っていきますとドラゴン現代美術館です。

道中こんな感じ。
真ん中の写真、ずーと向こうに作品を示す黄色いプレートが立っています。



[090] 「ドラゴン現代美術館」蔡國強(美術館長)
[091] 「小休止」キキ・スミス

さてこのドラゴン現代美術館は、中国の登窯を日本に移築?してきたものですが、これは前回(2000年)の作品です。作者であり、この美術館の館長でもある蔡國強によって運営されます。開館記念のチェロ・コンサートなども開かれた模様ですが、本格的なギャラリーとしての活動は、今回、キキ・スミスの作品展示をもって開始みたいです。窯自体は大きくて広角レンズ持っていないこのサイトの管理人のカメラ(CONTAXG1)ではファインダーにおさまりきれません。なおかつストロボも持ってない。必殺手持ち長時間露光です。手ぶれしまくり。やむをえない。けど、手動パノラマも手ぶれ写真もけっこうきらいではない管理人であった。

左端写真は窯全景。すなわちこれが美術館。
左下に見える大きな石は銘です。

キキ・スミス、だーっと並べます。白い人形。


ちょっと不気味だけれど、
かわいらしい。
かわいらしけど、
ちょっと不気味。
いつまで見てても飽きない。
人形の足元には薪が
ばらっと置かれています。


これ、ちょうど窯のおしりのほうです。
おしりというか、うしろですね。一番高いところ。







同じような写真がふたつ並んでますが、ステレオ写真ではありません。
なんとなく並べてみただけ。



さて、そいでもってマウンテンパーク津南の作品ですが、ほとんど前回2000年からの作品です。
たんたんたんと行きましょか。


[092] 「カモシカの家族」ゲオルギー・チャプカノフ

前回からの作品。
農機具で作られたカモシカです。とーてもよく出来ててね、感心します。
この作者はヨーロッパではマルチェロ・マストロヤンニとか有名人の彫像たくさん作ってメジャーな人だそうですよ?


[095] "Bed of the Cold" 西雅秋

これも前回からの作品。
遠く湖上に丸っぽい白っぽいものが浮いてんのが見えるかなあ?
この写真ではちょっと厳しいですね。
丸いドーナツ型なんですが。直径...どのくらいだろ?10メートルくらい?
これ水面をあちこち移動してるのでよく見えるときはよく見えるけど、よく見えないときはよく見えません。
キャンプん時とかねえ、この巨大浮き輪に向かって泳いでくバカ者若者いるそうですよ?


[093] 「森」本間純

これも前回からの作品。
これ、管理人はかなり好きですね。
相変わらずの姿で突っ立っててちょっとうれしいかな?

しかし、雨けっこうひどくてね。まいっちゃったね。
いや、けど雨もなかなかいいですけどね。


でもって展望台へ向かいます。
これは今年(2003年)の作品。


[096] 「私たちのための庭園」ステファン・バンツ

写真の説明にあるとおり。
「景色の中にある花畑を眺める作品です」なんだそうですが、
雨でけぶって花畑らしき一画はどーこにも見当たりませんでした。
残念だー!
つうかほんとに花畑あったのかなあ?とか思いました。

こんな風景なんですけれどもね。

で、振り返ると展望台です。

望遠鏡のぞいてみましたよ。
でもやっぱり雨でけぶってよく見えません。
でしたが、望遠鏡の向こうはなにか別に世界のようにも感じました。

この展望台自体は芸術祭の作品ではありませんよ。
...。
云うまでもないか。

展望台の真下はこんなふうなあずまやふうになってます。
なかに展示があります。

ここの展示ですが、ゆっくり見てる余裕なかったのでさらーと素通りしちゃったんですよね。
作者には申し訳ない。
しかしね、居心地よかった。こんなとこ好きだ。
世界でたったひとりぼっちになっちゃったような、世界最後の人間(ラストマン)となってありし日の記憶をたぐりながら地球最後の数時間を、最後の風景を眺めながら過ごしているような、そーゆー気分になりました。
晴れてればまた違ったでしょうね。
ガイドブックによれば、
「植物の変化示す写真が示され、樽田集落の歴史の資料を見ることができ」たのだそうです。
そうだったかな?
そうだったかも。


帰ります。



津南トリエンナーレセンター(津南観光物産館)です。

中は中で温泉客でけっこう混雑してるんですが、
エントランスでは、キャノピー下で縁日?みたいにやってます。

とれたての野菜やきのこ、売ってます。
いわなの塩焼きや焼きとうもろこし、おやきとかもあったかいの売ってます。
おいしそう。
金魚救いもあります。
いや、金魚掬(すく)い。

でね、湯気のほかほか出てとーてもいい匂いの鍋あったんですが、きのこ汁。
それとおにぎりのセット。
これうまかったねえ...(←遠い目)
おにぎりもおいしかったけど、きのこ汁!
きのこのたくさん入ったみそ汁ってだけなんですが、うまかった!
そいでもってこれね、この店で売ってたのはここで作ってたのかもしれませんが、このあたりではきのこ汁の缶詰売ってます。
後日自分用のおみやげとして買って帰りましたが、これもうまかった!
また喰いたい...缶詰でいい...。





■松之山(ふたたび)

松之山町は北の松代、南の津南にはさまれた位置にあるんですが、いま通り越してきたので後戻りします。それというのも、松之山温泉で一泊しようという腹だからです。
で、松之山温泉。鷹の湯。

狭い峡谷を入っていくと沢に沿って温泉宿が立ち並んでいます。
沢沿いにその一本道をずーと登っていくと宿の途切れたあたりにこんなモニュメント。湯の元栓...だったかな?

すぐ傍らに松之山温泉鷹の湯のいわれを説明した看板立ってます。
怪我をした鷹が温泉に舞い降りるのを見て地元のきこりが発見したのがこの湯元。それで鷹の湯という...だったっけ?
松之山温泉はほかにもいくつかの湯元があってそれぞれ名前があります。

この登り坂をぐんぐん登っていくとマリーナ・アブラモヴィッチ「夢の家」があります。2000年作品。
宿泊施設として好評らしい、けど我々は泊まらない。
我々は今晩、こめや旅館に泊まります。ほんとは自炊みよしやに泊まりたかったけれども満員だったのであきらめた。

荷物はすでに宿に置いてきました。
そぼつく雨の中、「夢の家」めざして坂道を行きます。



[001] 「妻有広域のサイン」ジョゼ・ド・ギマランイス

あ、作品番号1番だ。
それはともかく、これは作品ですけれどもサインです。
妻有地域のあちこちで見られます。
ギマランイスは、2000年に川西に幻想的な作品があります。
...左の黄色っぽいやつですよ。
この写真ではディティール、見えないですけどね。



滝があります。不動滝といいます。
そのかたわらに作品があります。

[207] 「流れ」マリア・テレサ・アルベス

作者と地元住民とで話し合いながら休憩所を作るプロジェクトだそうで、これはその第一段階なんだそうです。
木枠で作られた水路がくねくねしながら沢へ向かってます。
その途中ガラスのテーブルが水路の上にのっかってます。
右の写真、奥に見えるのガラスのテーブルなんだよねえ。
すぐこわれちゃったりしないか?ちょっと心配になったけど。


坂道をがんがん登っていきます。
上湯集落ってとこに向かう。
途中、急な石段の上の斜面にちっちゃなかわいらしい神社があんだけど、3年前はあいさつしたんだけれど、今回は雨でもあるし素通り。
いや、お稲荷さんだっけ?

道中の風景。

雨に濡れて花も緑もきれいだった。


上湯集落に入るはずれに神社あります。
この写真左手側なんだけれど。
樹木がうっそうと繁ってね、なにげに神秘的である...。


上湯集落到着。
黄色い案内板見えますが、さっそく作品です。
手前のうちに作品がある。
上湯集落の民家改修プロジェクトのひとつなんだそうですが、このうちは空家になったのかな?
1階と2階それぞれ、別の作家によるインスタレーションです。



[210] 「収穫の家」ローレン・バーコヴィッツ

パスポート見せて中に入ります。
見渡すとこんな風景。

タイトルどおり、穀物や果実、稲作に関する作品です。
写真にはちらりとしか写ってないけども、入って真正面に巨大な蓑みたいのがかかってます。

やはりこの部屋がきれいだった。玄関はいって左手側。
写真ではよくわかんないけれど、器の並んだ白っぽい床は米が敷き詰められてんですよ。



2階へあがってみましょう。

[211] 「米との対話」ロビン・バッケン

薄暗い。開口部はすべて閉めきられて床の照明だけがたよりです。
床の羽目板の隙間から1階が見えます。隙間だらけ(笑)
ちょっとだけ、大丈夫かいな?とも思ったね。
タイトル、いまひとつピンと来ないね。この作品のどこが「米」なのか?はてな?

左端写真。階段を上りきったとこ。
真ん中写真。奥へ進みます。
右端写真。いちばん奥へ進むと押入れ状の小部屋があって、棚にはたぶん畳?をイメージしたスクリーンが敷いてあります。
光がたくさんでね。きれいだったー。
壁に光のメッセージがあるんだけれども、なんて記されてたのか?忘れた。



外へ出ます。

「夢の家」へ行って見ましょう。すぐそこです。

[208] 「夢の家」マリーナ・アブラモヴィッチ

3年前と同じたたずまい。
なんだかなつかしい気分です。
ぐるっと廻って向こう側が玄関です。

入口手前。
「夢の家」って立て札。

「夢の家」玄関です。
一応、宿泊施設ですよ(笑)
中へ入りましょう。

玄関(受付)でパスポートにハンコ押してもらいます。
ひょいと右っかわ見ると便所と浴室です。
銅板のお風呂です。
真っ白のモザイクタイルです。
こんなお風呂ですと...湯につかりながら、そんな気はなくとも瞑想にふけってしまいそうで(笑)

1階のリビング?です。
卓の上には水の入ったコップが並んでいます。コップはコースターみたいに磁石をその下に敷いています。
磁石の力を受けて水には神秘的なパワーが宿ります。その水を飲むことで心身ともにリフレッシュします。
水はかってにとって飲んでよい。
しかし、水分いらない気分だったので飲みませんでした。
3年前、暑かったので飲んだ。なまぬるいふつうの水だと思った(笑)
そのほか、作家のプロフィールとか記事の切抜きとか並んでる。
部屋の隅では作家のヴィデオ流してます。
しばらく眺めてたんですけどね、けっこう、こわい。
このヴィデオは欲しくない、と思った。

リビングのとなりの部屋。
となりといってもふすまはとっぱらちゃってるのでひと続きです。
白い壁に赤い文字の暴力的なペインティング。ガラスケースには、「夢の本」が並んでいます。
手にとって読むことが出来る。
ここに宿泊した人の見た夢の記録です。

リビングから外の風景。
ここは「夢の家」へいたる通路なので、見てると誰が来るか?わかります。






部屋では女の子ふたり組、なにが面白いのか?卓の上の資料をえんえんと眺めていた。
ガラス戸の向こうを通り過ぎる人のなんだか面白くてたくさん写真撮った。
えいやっと並べてみましょ。

まちがい探しではないんですよ。

さて、宿泊室はいくつあったかなあ?
赤の部屋、青の部屋とかいくつかあって、それぞれ、棺桶のようなベッドが一台づつ。
宇宙服みたいな特製パジャマが用意されています。ふとん兼用(...だと思う)
晴れてると、色とりどりカラフルな宇宙服を洗濯して台所奥に干されているのが見られます(たぶん。3年前は見られた)
宿泊室のどのベッドにも「夢の本」が備え付けられていて、宿泊者は、目覚めるとそこに自分の見た夢を記入します。

宿泊室はすべて2階です。
2階へ上がる階段は2ヶ所あって、写真はリビングのすぐうしろのひとつ。
真っ赤なのは燃えてるわけではもちろんなくて、上がってすぐんとこに赤の部屋があるので、その光がもれているのです。
台所わきにもひとつ階段があります。
そこを上ると、宿泊室のほかに開かずの小部屋があります。
「精霊の部屋」と呼ばれます。小窓からのぞき見ることだけ出来ます。
このうちの持ち主である村山さんの思い出のための部屋なんだそうです。
いまでも村山さんが大家さんなのかな?
「夢の家」の運営はいま、ここ上湯集落の人たちでおこなわれてるそうですけどね。

たぶん白の部屋?のベッドです。
底に「夢の本」が収納されているのが見えます。
取り出して読んでみる。
いろんな人のいろんな夢が書いてある。
このベッドで眠った人の痕跡というわけでもあります。なんちゃって。
夢の記録、けっこう面白くって読んでると時間のたつのを忘れます。

これは青の部屋のガラス戸から外をうかがった風景。

外へ出ます。




ところでこれ、右っかわのうちが「夢の家」ですが、
すぐおとなり、左の蔵も1階に作品があります。



[210] 「エリクシール/不老不死の薬」ジャネット・ローレンス

入ってすぐ、棚に容器が並んでます。
いろんな薬草がアルコールに浸かってます。
エリクシールはエリクサとも云いますが、賢者の石とともに昔から人をひきつけてやまない薬です。
毒薬の意味でも使われますね。エリクサ。
ちなみに賢者の石は物質を金(ゴールド)に変える魔法の石ですね。
で、ここの展示は、いろんな生薬をお酒にした生薬ショットバー、ってことだそうです。
右端の写真は上、収穫されて乾燥中の黄檗(きはだ)です。
左端の写真の下隅にダンボール箱がありますがそのアップ。
中に入ります。

部屋の中央にたくさんのフラスコ、ガラス瓶。どれも草木の焼酎漬けです。
なかなかハンサムなスタッフのにいちゃんが調合してくれます。
白衣なかなかかっちょよかったよ(笑)
白衣のにいちゃんが「どれにしますか?」と云うので、「えっ?なんですか」
「どれでもお好きなの飲んでみることが出来ますよ」
「ははあ、そうですか...」
「薬効はそこらに書いてありますよ」
壁にガラス板がぶらさがってエッチングでいろんな植物が紹介されている。
ここで展示してるのは、たしかここらでとれる植物なんだったと思う。
とりあえず、ガイドブックにはそう書いてある。
「アルコールしかないんですか?」
「あ、いやアルコール駄目な人のためにジュースも用意してありますよ」
なんのジュースだったかな?やまももかブルーベリーだっけ?無難だなあ、と思った記憶がある。
瓶を見ながら、「これどんな味ですか?」とか尋ねると、
「それはあんまし味しませんね」とか「いい香りしますよ」とか、味の説明してくれる。
どれにしようかなあ?ちょっとこわい気もするな、とか思っている。
ひととおり展示を見て、したら黄檗(きはだ)が胃腸によいとされている。
「黄檗(きはだ)ありますか?」
「ありますよ。これです」
指さしてくれる。
「どんな味ですか」
「これはぁ、苦いですよ。たぶんいちばん苦いかな」
「えっ!そ、そうですか...」
ちょっと躊躇するが、胃腸あんまし丈夫でないのでこれにしてみよう。
お願いするとちっこい容器にちょこっと注いでくれる。
うーん、しばし香りを味わってからぐい、と飲んでみた。
うひー!にが〜!
こんな苦い味は久しぶりだ。
気のせいかなんか、効いた気がしたねえ(笑)
気のせいだと思うけどね。
薄暗いけれど、室内の写真を並べてみましょう。いい雰囲気ですよ?

壁ぎわにぶらさがったひょうたんみたいなガラス容器がかっちょよかった...。



上湯集落の作品は全部で4つ。
すべて女性のアーティストだそうです。
数は少ないけれど、インパクトあるものが多いねえ。

鷹の湯温泉へ戻ります。


途中、「収穫の家」「米との対話」のあったうちの前を通ります。
子どもたちがはいっていく。

ここいらでも子どもたちは減っているといいます。
どこだったか?「ここの集落はねえ、平均年齢70を超えてるんじゃないかな?」
とか走行中、教えてくれた運ちゃんいました。
「とはいっても、5世帯しかないけどね。わはは。
 5世帯しかないけど、一人か二人づつくらいしかいないからね、
 全部で10人にはならないかな?」
そんな集落があちこちに散らばってます。
夏に見かける子どもたちの大半は夏休みで帰郷、または両親に伴われて帰郷している子たちだそうです。
もっとも実際の数字がどのくらいなのか?わからない。
子どもの姿を見かけるたびに地元の子かな?ほかんとこの子かな?とか思います。

で、松之山温泉鷹の湯温泉街に戻ってきました。
温泉街入口に行ってみましょう。
3年前のですけれども作品があります。



[205] 「渓谷の燈籠」CLIP

CLIPって建築家集団の作品。3年前第一回芸術祭のときの公募で選ばれた作品です。
温泉街入口の案内標識。モニュメント。
この写真、左奥が温泉街です。
CLIPのHP
これが縁だったのかどうか?たぶんそうでしょうけれど、今回、MVRDVの松代雪国農耕文化村センターほか芸術祭関連の建築の多くをCLIPが実施設計・設計監理していますね。
これ、3年前のですけどね、悪くないよ。
なかなかいいです。
特に好きなわけではないけれど、決してきらいではない。
でも、当たり前だけれど、3年前見たときよか汚れてたなあ。
建築家の皆さんにはね、ぜひともちょっとやそっとの汚れで、くにゃ、てならないようなものを作ってもらいたいですね。
いや、建築家だけでないね。
と、自戒の念をこめつつ、なんとなく。


で、ひょいと左方を見るとこんなん、あります。

[206] 「メタモルフォーゼ−場の記憶−『松之山の植生を探る』」笠原由紀子+宮森はるな

斜面の一部が造成されなにやらパネル状のものが並んでます。
これも3年前の作品。

7つ並んだパネル?というかブロックの、そのうちの一枚がこれ。
タイトルどおり、松之山の植物を採集してその姿形、種子の形などを陶板にインプレッションしたものです。
こーゆーの、好きだ。


さて、今日の予定はだいたいおしまい。
まだ日が暮れるまで少し時間があるな。どうしよう?
晩飯にはちょっと早いし。
えい、ボルタンスキーに行ってしまおう!
タクシーで旧東川小学校へ。


[204] 「夏の旅」クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン

旧東川小学校全景です。ここらでは多い廃校のひとつ。
右が校舎で左が体育館。右端が玄関です。行ってみます。

玄関とそのアップ。
けっこう人いるみたいですが、それは気のせいです(笑)

入ってすぐ。
廊下がふさがれてますが真ん中の開口部から向こうをのぞけます。
するとグランドピアノがあります。

風の回廊、というのはこのサイトの管理人の勝手な命名ですが。
だれもいない廊下で扇風機だけ首を回してカーテンを揺らしている。

1、2年生がいっしょに学んだ教室です。

枯葉で埋もれた教室です。
落ち葉をざくざく踏みしめて歩きます。

ボルタンスキーの18番。









    裸電球↓、これもボルタンスキー18番。


とくに意味もなくおんなしような写真を並べてみました。

けむりでいっぱいの教室があります。
のぞいてみるとこんなんです。

そしてまたこんな教室。
中には入れません。

なんだかなつかしい。
児童背丈用の流し。

音楽室入口です。

中はこんなんです。

玄関に戻ってきました。
夏の旅。
空中に浮いてるのはスリッパであって金魚ではありません。

玄関先はこんなん。目の前が田んぼです。
長いすが並んで、晴れてればここでひと休みってとこでしょう。

ボルタンスキーなかなか期待を裏切りません。
どきどきしながら校舎を歩き回ったことでした。
これはすでにエンターテイメントだねえ、と思いましたねえ。



鷹の湯温泉街に戻ってきました。
晩飯には時間があるけれど、ちょっと小腹がすいた。
で、来がけに見つけていたお好み焼き屋に入ろうと思って行ってみると、がーん!なぜかすでに店じまいである。
昼間しかやんないのか?
では、ということでこれも気になっていたジャズ喫茶風そば屋へ向かいます。

この店は、芸術祭公募ののビデオ・コンテスト作品流してたので、それ見ながらそば喰ってコーヒー飲んでひと休み。
そば屋らしんだけれど、ジャズ好きのオーナーらしい。
おしゃべり好きらしい。たぶん。
カウンターに座ったカップルとしきりになんか話してたねえ...

でね、店先にはこんなんあります。
これは、オーナーの不良中年マニフェストってとこでしょうか?
第十四、十五条あたり、謙虚さが感じられて(笑)好きですね。
そば、うまいですよ。
なかなかおちつけます。
ええ、そうですね。松之山温泉行かれたら入ってみて損はない。
松之山温泉鷹の湯入口からすぐです。

このサイトの管理人はちょっと風邪気味で具合悪いので宿へ帰ってひと休み。
2、3時間ばかりぐーぐー寝ていました。
さて、起き上がってみると7時すぎだ。
寝る前に晩飯喰おう。
喰うところは決まってます。
3年前に我々を驚愕におとしいれた「山愛」って食堂です。
「山愛」
この3年間はいったいなんだったんだろうか?と思わざるをえないような、変わらなさぶりです。
あまりにもなにもかもが3年前といっしょだ...。
店構えも店内もメニューも店員さんもなにもかも...。
もっとも、3ねんくらいでそんなころっと変わるわけないですが(笑)

なにも変わらないカレンダーだらけの店内。
さすがに日付はちゃんと現在を示しています。

そして、こちらもなにも変わらないメニュー。
このメニューでしばらくは話題に事欠きません。
説明はせんとこ。

頼んだのは、ビール、日本酒、野菜炒めと餃子。
枝豆はお酒の、お吸い物はご飯のおまけ。
決してまずくはないんだけれど、量が多すぎて後悔しました。
決してまずくはないけれど、決してうまくもないよ(笑)
うまくはないけど、なんとなくまた入りたくなる、そんな店です。
「山愛」
ここのお店のお薦めはね、焼きうどんらしいですよ。
たまたま別のテーブルでそんな話をしていた。
だからといって、焼きうどんがうまいとはかぎらないかもしれない、とか思っている私であった...。
宿へ帰ってお風呂入って寝ます。
当然ですが、温泉です。

だれもいなかったので、こっそり写真を撮りました。
これは男湯です。
こめや旅館です。
お風呂、温泉らしい野趣はないけれど、悪くありません。


温泉は気持ちよかったけれど、なんだか頭痛がします。
ちょっと吐き気もします。
風邪気味のくせにビール飲んでお風呂入って、湯冷めしたりするからです。
しかし、温泉にきてビールなしお風呂なしというのはどう考えても我慢ならないので、やむをえない。
う〜てうなりながら一晩を過ごすのでありました。
こうして、17日の夜も更けていくのであった...。

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