人と人との間というものは、男と女にかぎらず、 いつも崖っぷちを手探りで歩いているようなものである。 ちょっとした不注意な言葉一つで、足元はすぐに崩れる。 何気なく洩らした一つの溜息のおかげで、いきなり深い霧に包まれ、 行く先がわからなくなってしまうことだってある。