水の歴史

§2002.9.27§




人と人との間というものは、男と女にかぎらず、
いつも崖っぷちを手探りで歩いているようなものである。
ちょっとした不注意な言葉一つで、足元はすぐに崩れる。
何気なく洩らした一つの溜息のおかげで、
いきなり深い霧に包まれ、
行く先がわからなくなってしまうことだってある。


久世光彦「夢あたたかき」


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