諸法の仏法なる時節、すなわち迷悟あり、修行あり、生あり、死あり、諸仏あり、衆生あり。 万法ともにわれにあらざる時節、まどひなくさとりなく、諸仏なく衆生なく、生なく、滅なし。 仏道もとより豊倹より跳出せるゆゑに、生滅あり、迷悟あり、生仏あり。 しかもかくのごとしといへども、花は愛惜(あいじゃく)にちり、草は棄嫌(きけん)におふるのみなり。